流行通信 1999年1月−3月 |
携帯着メロ
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日本の移動電話には電波の異なる携帯電話とPHS (簡易型携帯電話) の2種類があります。ここ数年で留守録や文字送受信などのサービスが充実し、通話機本体や通話料金も下がったことから、今では日本人の3人に1人が持つまでに普及しました。中高生の間では比較的安いPHSが主流になっています。 電話の着信を知らせる音も以前は単純なアラーム音だけでしたが、数年前から音楽的なメロディーも選べるようになっています。なかには発信番号を認識し、かけてくる相手によってメロディーを変えられる機種もあります。さらに最近では、その着信メロディー(着メロ)を自分の好きな曲に変えるのが若者の間でブームとなっています。書店には「作曲」をするためのマニュアル本や、掲載されている数列をそのまま打ち込むだけで好きなメロディーを追加できる本が数十冊売られています。350万部も売れたシリーズもあり、大きな書店には「着メロコーナー」ができているほどです。 打ち込むのが面倒な人や難しいという人のために、あるPHS会社は最新曲や季節の音楽などを配信するサービスを提供しています。自分のPHSからサービスセンターに電話をかけ、欲しい曲をリクエストするだけというもので、毎月50万件ものアクセスがあるそうです。 多くの若者が、受験勉強中は励ましの歌、学年末が近づいたら卒業の歌というように、心境の変化に合わせて次から次へと着メロを変えて楽しんでいます。 今や街角のいたるところで、テレビ番組の主題曲、アイドル歌手のヒット曲、それにこのコーナーでも取り上げている「だんご3兄弟」まで、さまざまな電子音が携帯電話から鳴り響いています。
写真: 外見から着信音までバラエティ豊かな携帯電話 |