流行通信 2002年1月−3月 |
おさかな天国
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「さかな さかな さかなァ さかなを食べるとォ〜」――日本ではこれがいま街角でいちばんよく耳にする曲です。鮮魚店やスーパーの魚売り場から流れてくるばかりではありません。幼稚園や小学校でもさかんに歌われています。一度聴いたら耳からなかなか離れない印象的なメロディーと、31種類もの魚の名前が出てくる楽しい歌詞のこの曲は、「ものすごく歌いやすいからいい」「聞いていると自然に体が動いてしまう」と、子どもたちにはたいへんな人気です。幼稚園ではこの歌を合唱したり、振りをつけて踊ったり、小学校ではダンスの時間の定番曲にしているところさえあるほどです。 この曲ができたのは11年前のことでした。そもそもは全国漁業協同組合連合会(全漁連)の中央シーフードセンターが、もっと魚を食べようというキャンペーンのために作ったPR曲だったのです。1991年にカセットテープが自主制作され、スーパーなどに配布されました。1996年にはCDとして販売されましたが、これまではセンターに直接注文しないと手に入りませんでした。 昨年からインターネットや口コミでじょじょに話題となり、ユニークな歌詞と軽快なテンポが子どもやお母さんたちに受け、全国に人気が広がったのです。 今年になって大手レコード会社11社間でCD化の権利争奪戦がくり広げられました。その結果、3年前に「だんご3兄弟」を大ヒットさせたレコード会社に、その実績を買われて決定しました。「おさかな天国」のCDは、3月20日に発売されてから一ヶ月間で30万枚以上が売れました。はたして300万枚の「だんご3兄弟」の記録を追い抜くことができるでしょうか。 最近は、お母さんから「何を食べたい」と聞かれると、「おさかな!」とこたえる子どもたちが増えてきたといいます。この曲のヒットのおかげで魚が好きな子の数はどんどん増えていくにちがいありません。 写真:3月に発売されたCDの表紙。(© 2002 PONY CANYON INC.) |