流行通信
2002年1月−3月
とっとこハム太郎

「ロコちゃんとお話がしたい!」「ぼくの気持ちを伝えたい!」と一心に願うハム太郎は、仲間といっしょに、ハムスターだけの夢の国「ハムハムランド」で「魔法のヒマワリのタネ」を探します。それを食べると人間とお話ができると教えられたからです。ところが邪悪な魔王ハムも魔法のタネをねらっていました……。はたしてハム太郎はこの大冒険で無事に魔法のタネを見つけられるでしょうか?

ハムスターのハム太郎は、いま日本の小学生の間で一番の人気者です。「去年の運動会ではハム太郎の歌でクラス全員でダンスをしました」と語るのは神戸の小学校2年生の女の子。「ママにかわいい着ぐるみをつくってもらったの」という東京の幼稚園にかよう女の子も、お遊戯会でハム太郎の歌で踊りを踊ったそうです。

ハム太郎がはじめてお目見えしたのは1997年の春、小学2年生向けの月刊誌に連載された漫画「とっとこハム太郎」の主人公としてでした。まん丸の目でぷっくりした体つきのハム太郎は当初から人気者でしたが、それぞれが個性的な「ハムちゃんず」という仲間たちが次々に登場するようになると、さらに人気が上昇。掲載される雑誌が増え、2000年7月からはアニメ化され、テレビで放送されるようになりました。

ハム太郎のキャラクター・グッズも、おもちゃや文具、靴下にトレーナー、ショルダーバッグやランチボックスから腕時計まで、今では約50社から約3,000種類が出ています。百貨店ではハム太郎関連グッズの売り場はいつも満員。男の子にも女の子にも人気です。さらにハム太郎の本はこれまでに約740万部、ビデオ・DVDはおよそ143万本が売れたそうです。

そしてついに去年の暮れには映画になって映画館で上映されました。勇気があって好奇心おうせいなハムスターが活躍する「劇場版とっとこハム太郎 ハムハムランド大冒険」のストーリーは、冒頭に紹介したとおりです。この映画はアニメーションですが、あの大人気グループのモーニング娘。から結成された人気ユニット「ミニモニ。」のメンバー4人がハムスターの声を演じ、歌をうたっているのも映画の人気に一役買いました。

実はこの映画は、毎年暮れから正月にかけて上映されている怪獣映画「ゴジラ」と同時に上映されました。ゴジラといえば身長60メートル、体重3万トン。かたやハム太郎は身長8.6センチ、体重はイチゴ5個分。日本一小さなヒーローと日本一大きなヒーローが手を組んで250万人の観衆をひきつけたわけです。今年の暮れには第2作目が、やはり「ゴジラ」とのコンビで公開されることが決まっています。

日本中の子どもたちが、魔法のタネを食べたハム太郎とお話できる日を待って います。

写真:ハム太郎は日本中の人気者です。(© 河井リツ子/小学館・SMDE・テレビ東京)

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