流行通信 2000年1月−3月 |
モーニング娘。
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今、日本の小・中学生、そして大人までをも夢中にさせているのが、音楽ユニットの「モーニング娘。」です。デビューしたその年に、日本でもっとも権威のある日本レコード大賞最優秀新人賞を獲得。これまでに出した8枚のシングルと3枚のアルバムはどれも大ヒット、特に7、8枚目のシングルはいずれもミリオンセラーとなっています。メンバーの7人の女性は年齢が14歳から27歳と幅広いところがユニークですが、その生い立ちはもっとユニークです。 そもそもの始まりは、大阪の4人編成のバンド「シャ乱Q」の女性ボーカリストを選ぶテレビのオーディション番組でした。最終選考に残った11人のなかから、トップに選ばれたのは別の人でした。その時、シャ乱Qのボーカリストでソングライターでもあるつんくが、彼女たちのなかの5人に秘められた可能性があるのを感じ、条件付きで敗者復活のチャンスを与えました。その条件というのは、彼女たちが歌う自主制作(インディイーズ版)のCDを全国の5か所で5日間で5万枚売ることでした。もちろん5人は全員OKの返事をしました。彼女らがCDを売るキャンペーンの様子は番組で紹介され、その飾り気のない姿が視聴者の共感を呼びました。CDは無事に4日間で完売したことから、98年1月につんくのプロデュースによって見事デビューを果たしたというわけです。 このグループの特長のひとつは、グループと並行してメンバーがそれぞれ「ユニット活動」をしていることです。リーダーの中澤裕子(27)は、98年8月にソロの演歌歌手としてレコードデビューしました、同年11月には中澤を除くメンバーのなかから3人が「タンポポ」というユニットを結成し、99年11月にはまた別の3人が「プッチモニ」という名でそれぞれレコードを出しました。そのどれもがヒットしているのです。 もう一つの特徴は、メンバーの増減をくり返し行っていることです。デビュー当初は5人でしたが、5月に3人が参加、99年4月に1人脱退、8月に1人参加、そして2000年1月に1人が脱退し、現在のメンバーは7人となっています。 年齢も出身もばらばらで、メンバーも安定していないこのグループに、どうしてこれほど人気が集まるのでしょうか?リーダーの中澤は、人気の原因は「素人っぽさ」にあると言います。「大スターというのではなく、テレビで失敗を繰り返すごく普通の女の子だから身近に感じられるのだと思います」 写真:モーニング娘。の10人のメンバー。(2001年1月) |