流行通信
2001年7月−9月
缶バッジ

このごろ街や学校で缶バッジをつけている子どもたちをよく見かけます。バッグや帽子、Tシャツの胸元、なかにはジーンズにつけている人もいます。絵柄は文字だけのものからマンガのキャラクター、抽象画、子どもやペットの写真まで実にさまざま。直径5センチくらいのものまで売られているようですが、3センチくらいの小型のものに人気があるようです。

リュックサックにキャラクターバッジをつけている中学3年生の男の子は、「何もついてないとさびしいし、音楽が好きですから、好きなアーティストのロゴが入ったものをつけています」と言います。ほとんどがインディーズ系のバンドのライブコンサートで買ったものだそうですが、町の古着屋などでも売っているそうです。

通学用のカバンにぬいぐるみといっしょに缶バッジをたくさんつけた中学1年生の女の子たちは、アクセサリー店や玩具店で買ったそうです。「無地のパーカーやTシャツにつけるのもかわいい。」「デザインや大きさが違うのを上手に組み合わせると、見栄えがするのよね。」ひとつではなく、いくつもまとめてつけるのが缶バッジ・ファッションのポイントのようです。

缶バッジそのものは新しいものではありませんが、ファッションとして若い人たちが身につける習慣が一般的に見られるようになったのは今年の春ごろからです。有名歌手の浜崎あゆみやhitomiが、テレビや子ども向けのファッション誌などに缶バッジをつけて登場するようになって日本中に一気に広がりました。

缶バッジがブームになると、雑貨店のなかには缶バッジコーナーを特設する店や、インターネットで販売する店、個数を問わずオーダーメイドを受け付ける店まで現れました。缶バッジの自動販売機はもちろん、雑誌の付録やクイズの景品、イベントのおみやげなどにも利用されるようになりました。5月に新しいCDを出したラブサイケデリコというロック・グループは、缶バッジだけが写った写真をジャケットに使ったほどです。

ほとんどがひとつ100円から200円程度と安いので数を集めやすいうえ、自在に組み合わせて個性やファッション性を発揮できる手軽さから、その人気はまだこれからも広がりつづけていくでしょう。

写真:缶バッジは安くて色々なデザインがあるので、個性的なファッションを手軽に楽しめます。

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