流行通信 1999年10月−12月 |
遊戯王
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現在、小中学生の間でいちばん人気のある漫画は『遊戯王』です。これは少年向け漫画雑誌『週刊少年ジャンプ』に連載中の作品で、ゲームが得意な高校生の主人公、武藤遊戯が「闇の力」を身につけて変身し、カードゲームで悪人をつぎつぎと倒していくという話です。 この漫画をもとに、ゲームボーイようのソフトとして登場したのが、『遊戯王デュエルモンスターズ』です。モンスターや魔法使いなどが現れ、さまざまな能力や役割を与えられたカードを組み合わせて戦っていくゲームです。98年12月に発売されると、1週間足らずで100万本が売れるという爆発的な人気を呼びました。ルールは自分のもち札から選んだ5枚を盤上に伏せて並べ、コンピュータあるいは別の相手と同時に1枚ずつ表にして対戦します。全部で350種類もあるカードの中から、攻撃力、守備力、特性をうまく組み合わせて戦い、先に相手のライフポイントをゼロにした方が勝ちとなります。単純にモンスター同士の対戦なら攻撃力や守備力の優劣で勝敗が決まりますが、「フィールド」カードを使えば、「海」や「草原」など自分のモンスターに有利な格闘場所を選べます。お互いの戦略や偶然の巡り合わせで思わぬドラマが生じることもあって、とても展開の面白いゲームです。 通信機能を使えば別のプレーヤーと対戦したり、友達と手持ちのカードを交換することもできます。対戦を重ねるにしたがって貴重なカードが登場するため、すべてのカードを探して集める楽しみもあります。今年7月にはカードの種類が700種類に増えたゲームボーイ用ソフトの第2弾が発売されました。これも大好評で、1週間とかからずに100万本が売れました。 また、原作で主人公が使っているものとそっくりのカードゲーム『遊戯王オフィシャルカードゲームデュエルモンスターズ』も発売されており、こちらも子どもたちを夢中にさせています。 今年8月、新しく発売されたソフトを使って勝ち抜き戦を行う大会が東京ドームで開かれました。会場では限定版の5枚組対戦用カードが販売されることになっていたのですが、日本全国から予想をはるかに越える約5万人もの遊戯王ファンが集まり、約1万人は中に入れないという事態になったため、主催者側は事故防止のためイベントを急きょ中止するというハプニングもありました。『遊戯王』の大人気は当分続きそうです。 写真:「遊戯王」ゲームパックには、102枚のカード、2枚のゲーム盤と規則本が入っています。 |