流行通信 1999年10月−12月 |
仮面ライダーチップス
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10月中旬に発売になったばかりのポテトチップスが、いま小中学生の男子の間で大変な人気です。ごくふつうの薄塩味のポテトチップスなのに、なぜでしょう?それは1袋に1枚、おまけとしてついてくる仮面ライダーや敵の怪人カードのお陰です。それを集めるのがはやっているのです。 仮面ライダーというのは新しいキャラクターではありません。1971年−−−ちょうど今の小中学生たちのお父さんやお母さんが子どもだったころ−−−にテレビ放映され、絶大な人気を誇った番組の主人公です。 青年科学者本郷猛が、世界征服をたくらむ秘密結社ショッカーの野望に立ち向かうという設定で、毎回クライマックスで主人公が両手を広げて「ヘーンシン!」と叫ぶと、超能力改造人間(サイボーグ)仮面ライダーに変身します。強くなった仮面ライダーは、岩場や荒れ地をバイクで走破し、武器を使わずキックやチョップを使った格闘技で悪者を打ちのめすのです。この元祖仮面ライダーの後にも「仮面ライダーX」などのシリーズが続き、いずれも大人気となりました。優しくて無敵の仮面ライダーたちの活躍に魅了された子どもたちは。日本中の学校のグラウンドで「ヘーンシン!」と言って遊んだものです。 ライダー・カードも始めてお目見えするものではありません。当時テレビ番組の人気にあやかって「仮面ライダースナック」が売り出されました。やはり1袋に1枚、カードがおまけとしてついていました。中には、入っているカードを集める目的のためだけに買い、お菓子は食べずに捨ててしまうような子どもが出てきて、食べ物を粗末にするとして、大きな教育問題になりました。 新しい「仮面ライダーチップス」は、パッケージは当時と同じデザインで、おまけのライダー・カードも1袋に1枚入っています。全部で72種がそろった復刻版のカードは、絵柄は昔のままですが、大きさが1.5倍になりました。さらにたまに入っているラッキーカードを2枚集めると、「仮面ライダーアルバム」か「仮面ライダースペシャルブック」がプレゼントされるというのですから、人気があるのも当然です。では、肝心の復刻版のお菓子の味はどうでしょうか? 「普通の塩味のポテトチップスです。どうかちゃんと食べてください」と発売元のお菓子メーカーは子どもたちにお願いしています。 写真: (上)仮面ライダーチップス1袋につき、1枚のカードが入っています。(下)仮面ライダーや敵の怪人、闘いのシーンなどがカードになっています。 |