流行通信
1999年4月−6月
音楽ゲーム

 ゲームといえば、画面に向かって黙々と指先を動かすものと思いがちですが、今はそうとも限りません。ゲームセンターで、仲間に囲まれて演奏したり踊ったりしながら音楽のリズムと操作のタイミングを合わせて得点を競う「音楽ゲーム」という新しいジャンルのゲームがいま若者の間で大ブレイク中です。

 この新分野の先陣を切ったのが、ゲームメーカーのコナミです。1997年12月に同社が発売したDJシミュレーションゲーム「ビートマニア」は、まずゲーム機から流れる音楽をテクノ、ヒップホップ、レゲエなど多彩なジャンルから選択します。そのリズムと画面の指事に合わせて5つのキーボード(ボタン)をたたいたり、ターンテーブル(レコードプレーヤー形の操作盤)を回したりして音を出し、音楽と操作のタイミングが合えば得点されるというもの。DJの気分に浸れるということからも大人気となり、その後新曲を加えたバージョンアップ版が第4弾まで、また7つの鍵盤をもつ進化型までが登場しています。

 続いてそのコナミから98年11月に売り出された「ダンスダンスレボリューション」。これは音楽に合わせて、画面に示された前後左右を指す矢印に従って、足元の4つのパネルをタイミングよく踏んで得点を重ねていくゲームです。1曲の時間は約1分半。リズムに合わせてタイミングよくステップを踏み続けられれば高得点が記録されます。逆に点数が低ければ次の曲に進めず、ゲームオーバーとなってしまいます。単にパネルを踏むだけでなく、体全体をうまく曲に合わせることができれば、かっこよくダンスが踊れ、周りの人たちから大きな拍手がわき起こります。

 これらの音楽ゲームのなかには、専用コントローラ−をつけて家庭用ゲーム機で遊べるものも出てきました。家庭でこっそり腕を磨き、上達したらゲームセンターでその腕前を堂々と自慢できるわけです。さらに家庭用ゲーム機とアミューズメントマシンのリンクも実現しました。自作したステップをメモリーカードに記憶させ、ゲームセンターで再生して友達の前で披露することさえできるのです。

 音楽ゲームにはこのほか「ポップンミュージック」「パラッパラッパー」「パカパカパッション」「ウンジャマラミー」など面白い響きの名前をもついろいろな種類があります。今年3月には「ギターフリークス」もお目見えしました。ゲーム画面に従ってギターのネック部分にある三つのボタンとピックを操作すると簡単に音楽が演奏できるため、「一度ギターを弾いてみたかった」という大人たちからも注目を浴びています。


写真:(上)ビートマニアでDJ体験; (下)「ダンスダンスレボリューション。」この種の音楽ゲームでは、友達とダンスの腕前を競うことができます。((C) 1999 コナミ)

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