流行通信
1999年4月−6月
観覧車
 日本ではこの数年間に各地で観覧車が建設され、どれも大変な人気を呼んでいます。1999年3月だけでも東京と横浜に世界最大級の観覧車が相次いで登場しました。横浜に3月18日に改行した「コスモブロック21」は、直径が100メートル(全体の高さ112.5メートル)で、8人乗りのゴンドラが60個ついた大観覧車です。最大480人を乗せて15分で1周するのですが、それでも週末には1時間ほど順番待ちをしなければ乗れないほどの人気ぶりです。

 その翌日の3月19日には東今日で大観覧車が開業しました。直径は横浜と同じで100メードルですが、乗降場所が横浜よりわずかに高いため、全体の高さが115メートルとなり、世界一の高さを誇っています。定員は384人で横浜より少ないものの、2か月間で20万人以上がこの観覧車に乗りました。とくに1999年のゴールデン・ウィークは、好天に恵まれたこともあって、開業したばかりのこの観覧車に大勢の人が押しかけました。なかには混雑のために乗れずにあきらめて帰った人もいたほどです。

 大坂では1997年7月に、横浜と同規模の観覧車が、大阪湾に面した公園に建設されました。晴れた日には明石海峡大橋や関西国際空港が見渡せるこの観覧車で、これまでに200万人を超える人たちが大阪湾の眺望を楽しみました。この観覧車には、世界で初めて身体障害者用のゴンドラが2基とりつけられました。

 観覧車にこれほどの人気があるのは、老若男女を問わずだれでもいっしょに楽しめるから、というのが大きな理由です。とくに若い人たちの間では、都会の喧噪から離れて彼らだけの世界に入り語り合えるわずかな一時を楽しめるということから人気を呼んでいるようです。

 上にあげた3つの観覧車は、いずれも大都市の水際に新しく開発された土地のランドマークとなっています。しかしその一方で、都心で多くの客を集めている観覧車もあります。

 大阪に1998年11月に完成した観覧車は、都心の10階建ての商業ビルに組み込まれているもので、直径は75メートルですが、乗降口が7階にあるため、最上部の高さは106メートルに達します。真っ赤な観覧車がビルから顔を出した奇抜な姿は、上空から見るとまるで巨大な電動のこぎりがビルを切り裂いているように見えます。百貨店やオフィスビルが林立する中心部にあるこの観覧車は、親子連れの買い物客ばかりでなく、仕事帰りのネクタイ姿の大人たちまでひきつけています。

 観覧車の人気は当分おさまる様子はありません。2000年3月には、横浜に新たに直径45メートルの観覧車がショッピングセンターの屋上に登場することになっています。

写真:夜間には横浜のコスモブロック21のイルミネーションが15分毎に輝きます。(共同通信)

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