流行通信
1999年1月−3月

原宿モード

 日本のカジュアルファッションがヨーロッパや北アメリカで若者の人気を集めています。ロンドンではここ2年間に日本ブランドの出店が相次ぎ、日本からの衣類の輸入が急増しています。パリのファッションショーでは日本の若手デザイナーの名前が多く登場するようになり、ブティックにはそのブランド商品が並んでいます。ファッション誌でもこのところ日本特集が相次いでいます。

 日本人デザイナーのカジュアルウェアはデザインが独創的で面白い上、品質も優れていることが人気の理由です。その中でも、お尻のポケットにある白い波形のマークで知られる「エビスジーンズ」や、カラフルでけばけばしい「ヒステリックグラマー」などが引っ張りだこです。

 海外で人気のこうしたブランドは日本ではそれほど知られていません。けれど、東京の原宿に通うファッション好きの若者の間では大評判のブランドなのです。人気デザイナーの多くも原宿で育ち、今でもそこを拠点に活躍しています。

 原宿は東京の中心部にあり、日本のふつうの街とはちょっと雰囲気が異なり、しゃれたカフェやシックな店構えの雑貨店、ブティックが並んでいます。

 原宿の人気スポットの一つがラフォーレ原宿です。地下1階から地上6階まで人気のDCブランドを扱う専門店ばかりが入っているファッションビルで、原宿モードの発信基地となっています。週末になるとビルの前には十代から二十代の若者が集まり、路上でファッションを競い合っています。その若者を撮影しようと、雑誌のカメラマンも集まってきます。モデルクラブや芸能プロダクションのスカウトもよく見かけます。

 中高生に人気があるのは竹下通りです。350メートルほどの狭い通りの両側に、ブティックやアクセサリー、キャラクター商品を売る雑貨店などがぎっしり並んでいます。値段も比較的安いので、ここに来れば中高生の小づかい程度でも一通りのものをそろえることができます。タレントショップやプリクラの店、おいしいクレープを売る店もあって、1日中いてもあきることはありません。日曜日や休日ともなると竹下通りはまっすぐに歩けないほどの人出となります。

 原宿は今や世界に向けたファッション文化の発信地となっているのです。みなさんも東京に来ることがあったら、ぜひ立ち寄ってください。最新流行のファッションがいち早く見られますよ。

写真: (上)この小さな店が流行に敏感な女子高生のお気に入りです(下)竹下通りは平日の午後でも若者でいっぱいです。


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