流行通信 1998年10月−12月 |
沖縄アクターズスクール
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1996年にそのファッションが女子中高生の間で爆発的な人気となり、以来ティーンエイジャーの教祖的存在となったスーパーアイドル、安室奈美恵(あむろ なみえ)さん。今や若者にとっての人気ナンバーワンとなった14歳から17歳の女の子4人グループ、SPEED(スピード)。歌、ドラマ、CMに活躍中の知念里奈(ちねん りな)さん。激しいダンスと歌でファンを魅了する女性4人のグループMAX(マックス)。
いずれも今、日本で大人気の歌手ですが、彼女たちに共通しているのは何でしょうか。実は全員が「沖縄アクターズスクール」の出身なのです。83年に沖縄県の那覇市に開校したこの芸能人の養成学校からはすでに30人を超えるプロの人気歌手が誕生し、日本の芸能界に旋風を巻き起こしています。 この学校がなぜ次々と人気者を送り出すことができるのか。それは、この学校が独特の指導方法をとっているからだと言われています。一定の教え方で縛ることをせず、子どもの感性を尊重して自信を持たせ、その上で子どもたちの自由にやらせる―この方法が彼らの個性を最大限に引き出しているのです。 沖縄アクターズスクールには現在、8歳から20歳まで約450人の生徒が在籍しています。校長のマキノ正幸さん(57歳)は祖父も父親も映画監督で、自らの経験に基づいて独特の指導方法を編み出しました。娘の牧野アンナさん(26歳)が指導し、先輩の生徒が後輩の先生役となって歌やダンスを教えています。この学校のダンスのレッスンには振り付けもありません。音楽に合わせて思い思いに歌って踊るのです。 学校はこれまでは地元に住む子どもたちだけを対象にしていましたが、強い要望もあり、98年夏に初めて全国オーディションを行いました。全国の8歳から20歳までの男女約53,000人から応募があり、8月に東京の日本武道館で行われた最終選考で残ったのはたったの9人でした。9人は晴れて入学を許され、歌手としてのスタート台に立ったのです。これからどのような歌手に育っていくのかが楽しみです。
写真: 自由に踊る沖縄アクターズスクールの生徒たち(共同通信社) |