流行通信
1998年10月−12月

アニマル柄

 日本では今年の冬もヒョウ、シマウマ、ヘビ、キリンなどのアニマル(野生動物)がさっそうと街を歩いています。といっても、動物園から逃げ出したわけではありません。女性ファッションの話です。それも、最近の流行は動物の毛皮のコートでなく、多くの女性がこれらのアニマル柄をプリントしたスカートやセーター、スカーフでおしゃれを楽しんでいるのです。

 アニマル柄はもともと、派手でカラフルなデザインを好む一部の女性だけが身に着けていたものですが、数年前からパリやミラノのコレクションでこの柄が目立つようになり、日本の女性達の間でも冬服のデザインとして幅広い層に広まるようになりました。

 数あるアニマル柄のなかでも、今年はヒョウに人気が集中しています。百貨店の婦人雑貨売り場では、スカーフやバッグ、帽子、傘にヒョウの黒い斑点があふれています。黄地に黒というふつうのヒョウ柄だけでなく、白、ピンク、緑、赤、青などの地と彩りも豊かになり、ある百貨店ではスカーフだけで約50種類のヒョウ柄の商品をそろえています。この百貨店ではこの秋、アニマル柄商品全体の売り上げが昨年より50%もアップしたそうです。

 アニマル柄を選ぶ女性は昨年あたりから急速に年齢の幅が広がりました。今では高校生から中学生、さらに小学生にまで及んでいます。中学・高校のほとんどで制服の着用が義務となっている上、かばんやコートの色や材質にも学校のきまりがあるため、多くの中高生は学校ではなかなかアニマル柄を身につけることはできません。でも、かばんに小さなアニマル柄のバッジをつけたり、アニマル柄のアクセサリーでさりげなく髪をとめたりして、女子生徒はひそかにこの流行を楽しんでいます。

 そして、週末や放課後ともなれば、一部の小学生も含めて中高生の女子生徒がポーチ、デイバッグ、マフラー、手袋、靴などアニマル柄を大胆に装って街を歩いています。母親に手を引かれた幼い女の子が、お気に入りのヒョウ柄スカートで楽しそうに商店街をスキップしている姿まで見かけます。

写真: 街にあふれるアニマル柄


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