流行通信 1998年7月−9月 |
一輪車
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10年ほど前から一輪車で遊ぶ子どもたちが増えています。学校では休み時間やクラブ活動で一輪車に乗っている生徒の姿をよく見かけます。中には非常に熱心な子もいます。1992年の夏、神戸の中学生で15歳の松島章(あきら)君はビッグ・ホイールと呼ばれる特製の大型一輪車で北アメリカ大陸を横断しました。一輪車をこいだ距離は5,400キロにもなりました。
一輪車が子どもたちの間で人気になったのは、89年に文部省の学習指導要領が改正され、小学3、4年生の体育の授業にとり入れられるようになってからです。今日では全国のほとんどの小学校に一輪車が備えられています。楽しみながら平衡感覚が養えるので、多くの学校が一輪車を使った体育の授業を実施し、生徒に一輪車クラブへの参加を勧めています。ほとんどの小学生が1週間も練習すれば乗れるようになり、数カ月で自由に乗りこなせるようになる子もいます。 人気が高くなるにつれ、各地で一輪車マラソンや競技大会などが開かれるようになりました。日本一輪車協会が主催する公式記録会もあります。乗りこなす技を1級から10級まで認定して行われるもので、93年から毎年、関西地方で開かれています。 世界的レベルの選手も育っています。世界で最も大きな一輪車の競技大会として、国際一輪車大会(略称ユニコン)が2年に1回、20カ国から約300人の選手が参加して行われます。第9回大会は98年8月にドイツのボトロップ市で開かれました。この大会に初めて出場した静岡県の中学生、植田美緒(みお)さん(12歳)は各国の強豪選手をおさえ、見事に女子世界チャンピオンに輝きました。京都の小山美由紀(みゆき)さんと東京の和泉田大樹(いずみだ だいき)さん(ともに19歳)もメダルを獲得しました。
写真: 練習をする世界チャンピオンの植田さん(朝日小学生新聞) |