昔から子どもたちが遊んでいた素朴な木のおもちゃがICチップを搭載して「デジタル化」しました。7月に売り出されると、たちまち子どもたちの間で大人気になりました。
木のけん玉は誰でも見たことがあるはずです。ボールをひもで結びつけた15センチほどの棒で、握りの反対側は先がとがっていて、両側に大小の皿がついています。底に穴があいたボールを放り投げて、とがった先や皿で受けて遊びます。英語では「カップ・アンド・ボール」と呼ばれ、世界各国でも楽しまれているおもちゃです。
もともとヨーロッパで発明されたものですが、中国を経て日本には江戸時代(1603-1868年)に伝わりました。明治時代(1868-1912)に子どもたちの間で大流行したという記録が残っています。
そのけん玉がコンピュータのおかげで再び流行しているのです。デジタル化したけん玉「デジケン」はふつうのけん玉と同じようにボールや皿がついていますが、光が点滅したり、楽器音が鳴る仕組みになっています。
デジケンはボタンで3つのゲームモードが選べます。ボールをうまく皿に乗せたり先に刺すと光が点滅して楽器音が鳴るレギュラーモード、ラップのBGMに合わせて点滅する大皿と小皿に玉を交互に移すリズムモード、点滅する先や皿を追いかけて玉を刺したり乗せたりするコンビネーションモードです。それぞれ難易度を変えるためのボタンがついています。
デジケンは、1988年8月に東京で上演されたブロードウェーのミュージカル『ビッグ』で使われ、大評判になりました。このミュージカルは玩具会社を舞台にトム・ハンクスが主演したコメディー映画『ビッグ』が原作でした。
さらに、若者に人気のグループSMAPのメンバー、木村拓哉(たくや)がデジケンに熱中していると雑誌で報道されたことから、小中学生の間で大きなブームとなったのです。
写真: (上から)デジケン(タカラ)、木のけん玉、うまく先に刺さるかな?
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