流行通信 2002年4月−6月 |
名探偵コナン
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「名探偵コナン」はいま日本の子どもたちに大人気の推理漫画です。主人公の江戸川コナンは小学生ですが、実際は工藤新一という名の高校生です。 新一は、17歳にして「日本警察の救世主」ともいわれるほどの実力のある名探偵です。ある日、幼なじみで同級生の毛利蘭と訪れた遊園地で、黒ずくめの男の怪しげな取り引き現場を目撃してしまいました。夢中で見ているうちにその男の仲間につかまり、毒薬を飲まされてしまいます。幸いにして命に別状はなかったものの、新一が目覚めると、6歳児ほどの体になっていたのでした。 「生きているとやつらにバレたら、また命を狙われる」と思った新一は、隣に住む発明家・阿笠博士に相談して、正体を隠すことにしました。江戸川コナンと名のり、父親の毛利小五郎が探偵をやっている蘭の家に、阿笠博士のすすめで居候させてもらいます。黒ずくめの男たちの組織をつきとめて毒薬の情報を得て体を元に戻すためにも、それが最良の方法だと考えたからです。 見かけは小学生でも頭脳は新一のままのコナンは、こうして小学校に通いながら、いくつもの難事件を得意の推理力で次々と解決していきます。腕のさえない毛利小五郎探偵も、コナンに陰で支えられるおかげで一躍名探偵として有名になります。 コナンの大きな力となるのが、阿笠博士の数々の発明品です。「時計型麻酔銃、ターボエンジン付きスケートボード、犯人追跡メガネ、キック力増強シューズなど、博士がコナンのために次々とユニークなメカを作り出すところが面白い」と、コナンが大好きな男の子は言います。 「名探偵コナン」は1994年に『週刊少年サンデー』で連載が開始され、現在も続いています。すでに38冊の単行本になり、発行部数は合計8,000万部を超えました。96年からテレビ・アニメとなって現在も放映中です。97年からは映画化もされ、毎年1作ずつ公開されています。今年は第6作目「ベイカー街(ストリート)の亡霊」が、4月20日から全国で公開されました。これは仮想体感ゲームの世界に入ったコナンが、19世紀末のロンドンで切り裂きジャックと対決する物語です。 蘭もその父親の毛利探偵も、コナンの正体を知りません。知っているのは阿笠博士と、ほかに数人だけです。コナンに会ったばかりのころ、蘭は新一のことを好きだとコナンに打ち明けますが、コナンは自分が本人だとは言えません。自分も同じ気持ちだと伝えられないのです。原作者の青山剛昌さんは、「名探偵コナン」はラブ・コメディーでもあると言います。コナンが難事件をどうやって解決していくかが毎回みもののこのシリーズですが、コナンと蘭の関係がもうひとつの見所と言えるでしょう。 写真:コナンは見事な推理力で様々な怪事件を解決していきます。(© 青山剛昌/小学館・読売テレビ・TMS 1996) |