流行通信 2001年10月−12月 |
ピクミン
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ピクミンとは植物に似ていて動物のようでもあり、いやその中間とでもいうべき不思議でとても愛らしい生き物です――といってもこれはゲームの中のお話。2001年10月に生まれたばかりですが、もう日本では子どもたちに大人気です。 ニンテンドーのゲームキューブ用ソフト「ピクミン」の主人公は、宇宙船の事故でとある惑星に不時着したキャプテン・オリマーという宇宙飛行士です。オリマーはその惑星に住むピクミンと出会い、彼らとともにさまざまな苦難を乗り越えながら飛び散った宇宙船のパーツを回収し、無事に修理を終えて故郷に戻る、というのがゲームのあらすじです。 このピクミン、頭に葉やつぼみや花を生やし、ひょうひょうと動き回る。その現れ方が実に斬新で、なんと土に生えた芽を引っこ抜くことで誕生するのです。もとはタネから芽生えるわけで、そのタネも数を増やすことができるのです。さらに頭に生えているものはピクミンの成長とともに葉っぱからつぼみ、つぼみから花へと変化していきます。画面に100匹ほども登場したピクミンが、主人公のオリマーについて歩いていく映像はまさに圧巻です。 ピクミンには赤、黄、青の3つのタイプがいます。赤は熱に強く攻撃力が抜群。黄は木の実に似た爆弾を取り扱うことができる。青は水に強く泳ぐことができるという特技を持っています。この三種類のピクミンを場面ごとに上手に使い分け、いかに巧みに必要なパーツを集めるかが遊び方のコツです。 道や橋をつくりながら重い宇宙船のパーツを運ぶピクミンのグループには、多くの困難が待ちかまえています。天敵である巨大な生物が現れるとピクミンはけなげに応戦しますが、食べられてしまったり、踏みつけられたりして、次々に死んでしまいます。純粋なピクミンたちをいかに死なせずに進むかが腕の見せどころというわけです。 「ピクミンを引っこ抜く時って、気持ちいい」「どんな時にも主人公についていくピクミンがけなげでかわいい」と、このゲームは男の子にとくに人気があるようです。 ピクミンの気持ちを歌った「愛のうた」がテレビのCMソングとして放送されると大変な評判になり、メーカーに問い合わせが殺到したため、2001年12月6日にシングルCDとして発売されました。発売前から子どもたちがCMをまねして歌っていたことも手伝って、それ以来ずっと上位にランクインしています。CDを買う人の中には、中年男性も少なくないそうです。 まだ生まれたばかりのピクミンですが、従順さと勇猛さをあわせもつこの不思議なキャラクターは、この先の活躍ぶりが大いに期待できそうですね。 写真:(上)最高100匹のピクミンがオリマーについてきます;(下)ゲームのいたるところで天敵が待ち受けています。(© 2002 Nintendo) |