流行通信
2000年4月−6月
小動物ペット

 飼育にそれほど手間のかからない小動物をペットとして飼う人が最近目立っています。なかでも子どもたちに人気があるのはハムスターとフェレットです。

 ハムスターは、10年前にこれを主人公にしたマンガ本がヒットしたことで注目を浴びはじめ、1996年の干支(えと)がハムスターの親せきであるネズミだったため、このころから盛んにテレビや雑誌で取り上げられるようになりました。

 ハムスターにはたくさんの種類があります。以前から人気があり代表的なのはゴールデンハムスターですが、最近ではドワーフ・ハムスターの総称で知られる、より小型の種類、特にジャンガリアンハムスターを多くペットショップで見かけるようになりました。

 フェレットはイタチに似た飼育用の動物で、大きいものでは体長40〜50センチになります。5年ほど前から飼われるようになり、やはり多くの漫画やアニメの主人公になりました。人をあまり怖がらないため、「人なつっこくて、他の動物よりずっとかわいい」と女の子に特に人気があるようです。

 これらの小動物はペットとしては比較的新しいため、飼い方についての情報が犬や猫と比べ豊富ではありません。そこで、同じ動物を飼う人たち同士でインターネットで情報交換をする例が増えているようです。「病気なんだけど薬を飲みたがらない。どうしたらいいの?」とパソコンで質問をすると、知っている人が「ハチミツに混ぜるといいよ」という具合に教えてくれるわけです。

 人気のある小動物ペットにはもう一つの共通点があります。それは、ほとんど鳴き声をあげないことです。日本では大部分の集合住宅が規則で「犬猫は飼育禁止」としています。しかし、他の動物に関しては特に決められていません。そこで静かで近所迷惑にならない小動物たちに人気が集まるわけです。

 ちなみに、あるペットショップによれば、このほかに最近日本でペットとして飼われるようになった動物は、ワラビー(小型カンガルー)、チンチラネズミ、シマリス、フクロギツネ、アライグマ、プレーリードッグ、ワニガメ、ネザーランドドワーフ(ミニウサギ)、フェネック(イヌ科)、さらに一風変わったところではスカンク、ハリネズミ、モモンガ、アルマジロ、イグアナなど、様々な種類にわたっているそうです。


 写真:(上)小型でかわいいジャンガリアンハムスターは大人気。(森口政男);(下)人なつっこいフェレット。(堅田祐理)

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