流行通信
2000年1月−3月
プレイステーション2

 半年も前からメーカーが予告していたとおり、3月4日、家庭用ゲーム機プレイステーション2(PS2)が発売になりました。いま日本では100万人以上の人が、子どもばかりか大人も、その美しい画像に毎日夢中になっています。

 PS2は世界中で7000万台以上売れたプレイステーションの次世代機です。前の機種ともっとも違う点は、コンピュータ・グラフィックスによる3次元の絵が飛び抜けてきれいだということです。それは、心臓部に世界最高速の128ビットというスーパーコンピュータ並みの中央演算装置(CPU)が搭載されているため処理能力が高く、煙や霧、車体に映りこむ光や影、風に揺れる髪の毛、浜辺に打ち寄せる並みなどがまるで本物のように再現できるからです。

 もう一つの大きな特徴は、新しい記憶媒体としてDVD(digital versatile disc)ビデオ再生機能が採用されていることです。DVDは、直径が12cmで、音楽CDやパソコンのCD-ROMと同じですが、その記憶容量はCD-ROMの約7枚分もあるのです。DVDによる大記憶容量とCPUによる高速処理のおかげで、PS2は格段に質の他界コンピュータ・グラフィックスが楽しめるのです。

 ゲームソフトばかりではありません。市販されている映画のDVDソフトを買ってくれば映画も楽しめるし、もちろん従来の音楽CDも再生できますから、PS2はゲーム機であると同時に、音響機器、映像(AV)機器としての機能も兼ね備えたマルチメディア製品です。

 さらに、PCカードスロットなど、パソコン並みの拡張機能を備えていて、将来のさまざまなニーズ−−−たとえば、2001年からゲームソフトや音楽、映画をケーブルテレビ(CATV)網を使って入手できるようにする計画が進められています−−−に応えられるようになっています。PS2は21世紀を見据えたゲームマシンなのです。

 発売に先んじて、メーカーが2月18日にインターネットを通じて直接販売の予約を受けつけたところ、開始からわずか1分で想定の30倍の60万件の接続が殺到してシステムがパンク。約2時間にわたってダウンしてしまいました。その後は、一時接続を制御しながら予約を受けつけていましたが、当初予定していた台数はまたたく間に完売。現在ネット販売は2週間は待たなければならないそうです。

 発売日の前日も、電器店が集中している秋葉原では、発売が予定されていた11店鋪の前には前日から一刻も早く買い求めようと並ぶ人達の長い列ができました(なかには3日前から並んだという人もいたそうです)。行列は、開店時刻の午前7時には約5000人に膨れあがり、開店後はどの店も1〜2時間で予定されていた販売台数はすべて売り切れてしまいました。

 メーカーは毎月50万台の生産体制があるといっていますが、いったいどこまで売れるのでしょう。PS2用のゲームソフトも続々発売されていますから、その人気はまだまだ続きそうです。


写真:PS2では、これまでのゲーム機にはなかった鮮明な映像を楽しめます。(ソニーコンピューターエンタテインメント)

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